いっ君のつぶ夜記

映画好きの中華系男子|エンタメ界隈の業界人| 年間100本映画鑑賞チャレンジ中

もっと早く出会うべきだった──映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』が教えてくれたボブ・ディランの魅力

はじめ

ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。

カリスマ音楽家「ボブ・ディラン」について正直に言うと、僕は30年以上生きてきて、その存在をほとんど知らなかった。どんな人物なのか気になり、ティモシー・シャラメ主演の映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を観に行くことにした。まだ映画の余韻がすごく残っているので、早速その感想を書いてみる。

ストーリー

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1960年代初頭のニューヨーク音楽シーンを舞台に、若きボブ・ディランがフォーク・シンガーとして成功を掴むまでを描く。19歳で無名だった彼は、その歌と神秘的な存在感で世界を魅了し、一躍シーンの中心へ。そして1965年、ニューポート・フォーク・フェスティバルでのエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスが伝説となる──。

感想

こんな偉大なミュージシャンには、もっと早く出会うべきだった。これが映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を観た後の率直な感想だ。実は鑑賞後すぐにレコードショップへ足を運び、ディランのアルバムを手に入れた。

よくある話だが、音楽や映画などのエンタメ業界では、偉大な人物ほど苦悩の時期を経験し、それを乗り越えて有名になることが多い。ボブ・ディランもまさにその一人だ。

この映画は、フォークやロック史上もっとも影響力を持つミュージシャン、ボブ・ディランの若き日々を描いている。ただの伝記映画ではなく、彼の音楽への情熱や執念、愛と迷い、そしてミステリアスな存在感をうまく映像化していた。特に、俳優たちが実際に演奏しながら歌う演出がリアルで、ミュージカル的な要素も強い。そのおかげで、ディランの若き人生がとても分かりやすく感じられた。

なかでも一番印象的だったのは、やはりティモシー・シャラメ(ティミー)が演じるディランだ。冒頭の登場シーンから、なぜか一瞬で彼の若き姿に引き込まれた。将来、カリスマ音楽家になるオーラが漂っているし、ティミーの瞳にはディランが本当に求めていたものが映っているように感じた。さらに、話し方が成長とともに変化したり、他のミュージシャンたちとの関係性を細かく表現したりと、ディランという人物をティミーならではの解釈で再現していた。ディランを知らない僕ですら、「本物もきっとこんなふうに話して、こんな性格だったんだろうな」と思い込んでしまうほどだった。

名曲の演奏シーンも圧巻で、ティミーの歌声がディラン本人のように響いていた。伝説的な人物をここまで精密に再現するなんて、すごすぎる。

60年代のアメリカの音楽や歴史には詳しくないけれど、この映画のおかげで当時の名曲を劇場で聴くことができて幸せだった。それだけでなく、その曲が生まれた背景まで知ることができたのも大きい。ディランの作詞の才能にも改めて驚かされた。まさに詩人そのものだ。

この記事は、ボブ・ディランの名曲「Blowin' in the Wind」を聴きながら書いた。まだ語りたいことはたくさんあるけれど、一旦ここで終わりにしよう。ちなみに、映画で特に印象に残ったのは、「Blowin' in the Wind」と、ディランとジョーンのデュエット曲「It Ain't Me Babe」だ。美しい歌詞とメロディが、これまで聴いたどんな悲しい音楽よりも深く胸に響いた。

作品&キャスト情報

www.searchlightpictures.jp

  • 原題:A Complete Unknown(日本語邦題:名もなき者/A COMPLETE UNKNOW)
  • 公開年:2025年2月
  • 監督:ジェームズ・マンゴールド
  • キャスト情報:
    ボブ・ディラン:ティモシー・シャラメ
    ピート・シーガー:エドワード・ノートン
    シルヴィ:エル・ファニング
    ジョーン・バエズ:モニカ・バルバロ
    ジョニー・キャッシュ:ボイド・ホルブルック

 

    

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