
はじめ
ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。
中国語には「多管闲事」という言葉がある。
日本語で訳すと「おせっかい」や「よけいな世話」という意味だ。こういう“おせっかいタイプ”の人間って、周りに一人はいるのではないだろうか。今回は、高橋文哉主演の映画『あの人が消えた』について感想レビューを書いてみる。「おせっかい配達員」は一体どんな結末をもたらすのか。最後まで読んでもらえたら嬉しい。
ストーリー
「人が消える」と噂のあるマンションを担当する配達員・丸子は、住人の小宮が自分の愛読するWEB小説の作者ではないかと気づき、密かに好意を抱く。一方で挙動不審な島崎にストーカー疑惑が浮上し、丸子は先輩の荒川と住人へ聞き込みを開始。島崎の部屋に“血だらけの女を見た”という証言まで飛び出し、丸子は小宮を守るため島崎の部屋に侵入してしまう。しかし帰宅した島崎と鉢合わせ、同時に警視庁も大事件の捜査でマンションに迫り、事態は予想外の展開へと加速していく。
感想
映画『あの人が消えた』は、配達員・丸子(高橋文哉)の視点ですべてが語られる。個人的にこの構図は、“謎のマンションで起きる神隠しの真相追求”にぴったりで、興味を引かれたままエンドロールまで一気に観てしまった。
普段、僕ら一般人は配達員と玄関先でしか接しない。だが、この映画では立場が逆転し、配達員の視点からマンションの住民を“玄関の外”から観察する。正直、配達員なのに住民の家の中をジロジロ覗く行動は少し気持ち悪いとも思ったが、そこに人間性が現れていて、ストーリー上欠かせない重要な鍵にもなっている。
そして丸子は、単なる「おせっかい配達員」ではないと断言できる。すべての発端は、丸子が大好きな小説『スパイ転生』の作者・小宮(北香那)との出会いだ。次々と住民が消えていくマンションで、小宮を守りたい一心で事件に踏み込む姿は、本当に心優しい青年にしか見えなかった。ネタバレになるが、小宮を脅す島崎(染谷将太)から彼女を救い出したのも丸子だ。もし丸子の“おせっかい”がなければ、マンションの被害者はもっと増えていたかもしれない。作品の英雄は間違いなく丸子だ。
この映画で一番評価したいのは、最高のどんでん返しが待っている点だ。後半で語られる「小宮と島崎は公安の潜入捜査官だった」という展開は、多くの観客が信じたはずだ。僕も「なんだ、オチは潜入捜査かよ」と一瞬ガッカリした。しかし、本当のオチはそこから──実は小宮と島崎は公安ではなかった。小宮は本物の小説家で、島崎に監禁され殺されかけていたのだ。
さらに驚いたのは、小宮が自分の小説『スパイ転生』で使ったトリックを、そのまま丸子と荒川(田中圭)に対して“作り話”として仕込んでいた点だ。作り話に登場する「すどう」「べっぷ」「てらだ」「うめざわ」「そうま」の頭文字が“すべてうそ”になる仕掛けも秀逸だった。ミステリー好きなら気づくかもしれないが、僕は途中で見抜けず悔しかった。
そして最大の真実──丸子はすでに死んでいた。
荒川がいきなり小宮の家に来た違和感、丸子が人と会話が噛み合っていなかった理由。すべてが一気に繋がった瞬間、「なんて巧妙な構成なんだ」と心底やられた。
映画『あの人が消えた』は“先読み不可能のミステリー・エンタメ”という宣伝文句があるが、これは本当に嘘じゃない。どんでん返しの連続、伏線の巧妙な配置、二重三重の構造──ミステリー好きなら観ないと損だと思う。
最後にひとつ。
荒川の寿司ネタ、あれは何だったんだろうね(笑)
ブラックユーモアに全然ウケなかったのは僕だけだろうか?
作品&キャスト情報
- 原題:『あの人が消えた』
- 公開年:2024年9月
- 監督:水野格
- 脚本:水野格
- キャスト:
丸子:高橋文哉
小宮:北香那
長谷部:坂井真紀
沼田袴:田吉彦
寺田:菊地凛子
巻坂:中村倫也
島崎:染谷将太
荒川:田中圭
参考記事
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