いっ君のつぶ夜記

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これが詐欺の最前線…!韓国映画『声/姿なき犯罪者』がリアルすぎて震えた【感想レビュー】

はじめ

ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。

中国語には、こんな酷い言葉がある。「幸災楽禍」。
日本語に訳すと「他人の災難を喜ぶ、人の不幸を願う」という意味だ。まさに人間性が劣っている人物の代名詞として使われる。現実社会でも、この「幸災楽禍」を体現している人たちは確実に存在する。その典型が、振り込め詐欺に関わる連中だ。

今回は、韓国でも深刻化している振り込め詐欺を題材にした犯罪アクション映画『声/姿なき犯罪者』(原題『보이스』)の感想レビューを書いてみる。韓国映画が描く“幸災楽禍の世界”について語っていきたい。

あらすじ

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元刑事のハン・ソジュン(ピョン・ヨハン)は警察を辞め、釜山の建設現場で班長として働いている。ある日、所長からソウルの現場監督に昇進する朗報を受け、妻に伝えようとするが、忙しい妻に電話を切られてしまい報告できずに終わる。

同じ頃、現場には首元にタトゥーのある怪しい男が現れ、裏手に電波遮断器を仕込んでいく。その直後、従業員が高所から落ちそうになる事故が発生。周囲が電話で所長を呼ぼうとしても電波が通じず、ソジュンは班長として救助に向かう。しかし、従業員が落ちかけた瞬間に画面が切り替わり、場面は妻の働くカフェへ。

妻の元に“弁護士キム・ヒョンス”と名乗る男から電話が入る。内容は「工事現場の事故でソジュンが逮捕されそうだ」というもの。混乱した妻が何度も夫に電話するが、電波が遮断されていて繋がらない。工事現場に電話しても同じ内容が返ってきてしまい、妻は完全に信じ込んでしまう。

その後、釜山警察署を名乗る人物からも「夫を逮捕する」という電話が入り、不安が一気に爆発。再び“弁護士”から電話が入り、示談を急かされた妻は、夫を守るために言われるがまま7000万ウォンを振り込んでしまう。

場面は再び工事現場へ戻り、ソジュンは従業員を無事救い出すことに成功。電波も回復し、妻に折り返すと「なんで警察署にいないの?」「キム・ヒョンスって知り合い?」という質問が返ってきて、そこで詐欺だったと気づく。

妻は泣きながら銀行へ走るが、すでに全額引き出されていた。さらに、横断歩道で“偽弁護士”から追い打ちの電話(まさに「幸災楽禍」)を受け、動揺した妻は車に轢かれて大怪我を負う。所長も詐欺に遭い、従業員の給料を含めた30億ウォンを失った末に自殺してしまう。

すべてを知ったソジュンは、妻の復讐と金の奪還のため、警察OBのツテを使い、ハッカーのカンチル(イ・ジュヨン)と共に詐欺組織を追う。ついに中国・瀋陽のコールセンターに辿り着き潜入。偽弁護士の正体は、掛け子とは別に台本を作る“企画チーム”の責任者クァク(キム・ムヨル)だった。

ソジュンは内部告発で企画チームに入り込むことに成功するが、クァクは別組織への転職を企んでおり、外と連絡が取れるスマホの存在まで知った。しかし、本来の居場所から消えたことがバレてしまい、組織に監禁されてしまう。その後、詐欺組織では「就活生を狙った新台本」が大当たりし、午前中だけで爆益を出すなど、クァクによる“悪の才能”が全開だ。

その後、弟分の協力で脱出したソジュンは、停電を起こしたり、位置情報を外部に送ったりと全力で詐欺を止めようとするが、最終的にクァクに捕まり、スパイとしてボスに売られそうになる。

しかし、幸いでコールセンターの位置情報が韓国警察に届き、組織は一網打尽。逃げようとしたクァクも警察に逮捕される。

妻の元へ戻ったソジュンは、奪われた金を取り返し、刑事への復職辞令まで貰うという“めでたし”の結末……と思いきや、フィリピンのどこかで詐欺台本と個人情報リストが別の手に渡っていく。

つまり、振り込め詐欺は終わらず、また新しい“幸災楽禍”が繰り返される未来を示唆して物語は終わる。

 

感想

映画『声/姿なき犯罪者』は、韓国で深刻化している振り込め詐欺をリアルに描いた作品だ。冒頭から、その巧妙すぎる手口の連発に度肝を抜かれた。ターゲットの現場に組織の要員を送り込み、電波遮断器を仕掛け、特殊な装置で被害者のスマホを遠隔操作し、さらに完璧に作り込まれた偽の送金サイトまで用意する――詐欺ビジネスがここまで進化しているのかと恐ろしくなった。
これでは、被害者があらかじめ作られた台本通りに騙されてしまうのも納得できる。正直、僕や僕の家族でも、同じ状況に陥ったら間違いなく引っかかってしまいそうだ。それくらい、この映画の描写は衝撃的だった。

特に複数のルートから個人情報が抜かれていく場面は現実味がありすぎた。新築マンションの申し込み、不動産会社、建設会社、大企業の就活生データなど、あらゆる場面で情報が漏れていく。こんな状況じゃ、社会も企業も「信用しないほうがいいのか?」とすら思えてしまう。
とにかく、知らない番号から電話が来て“お金の話”をされたら、まず「振り込め詐欺」だと疑う――これが映画を観て一番学んだ教訓だ。

本作の主人公・ソジュンは元警察官だからこそ、前職の経験と人脈、そして勇気を活かして詐欺組織を壊滅に追い込めた。もし彼が普通の一般人だったら、間違いなく別の悲惨な結末になっていただろう。そして、個人的に一番重要な存在だったのがブラックハッカーのカンチルだ。彼女がいなければ、詐欺組織の拠点にも辿り着けなかったし、偽造パスポートの準備もできなかった。最後の警察救助まで繋げられたのは、完全に彼女の力だと思う。脇役なのに、とても存在感のあるキャラクターだった。

とにかく、韓国映画『声/姿なき犯罪者』は振り込め詐欺の“リアル”をこれでもかと突きつけてくる作品だ。アクションは見応えがあるし、潜入パートのサスペンスも手に汗握る。犯罪アクション映画としてしっかり面白いし、僕からも自信を持ってオススメできる一本だ。

作品&キャスト情報

  • 原題:『보이스』(和訳:『声/姿なき犯罪者』)
  • 公開年:2022年7月
  • 監督:キム・ソン&キム・ゴク
  • キャスト:
    ソジュン:ピョン・ヨハン
    クァク:キム・ムヨル
    ギュホ:キム・ヒウォン
    チョン本部長:パク・ミョンフン
    カンチル:イ・ジュヨン

参考記事

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