はじめ
ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。
デジタル社会が最も進んでいる中国。スマホから皆を驚かせる投稿をするだけで、その人の運命が大きく変わる時もある。さて、今回の映画レビューは、中国映画『いいひと』(原題:保你平安 / Post Truth)にする。ネタバレ内容があるので、ご了承を申す。
ストーリー
不運続きの男、ウェイ・ピンアン(魏平安:ダー・ポン)は、友人を庇って刑務所に入ったため、妻は娘を連れて再婚。出所後の現在は墓地の営業マンとして厳しい生活を送っている。楽観的な彼は、元顧客ハン・ルー(韩露:ソン・チエン)が生前の売春婦という噂で墓から強制移送されることを知り、彼女の無実を証明するために奮闘する。
周囲の悪意やネット上の誹謗中傷に立ち向かい、ピンアンは正義を求めて戦うことに。彼は、元顧客の名誉を取り戻すためにあらゆる手段を講じ、真実を追求する道に発った。
感想
とんでもないデマ炎上がすべての発端
ピンアンの元顧客ハン・ルーが、死後で発覚された噂は、どこから出てきたのか、発端先を辿り着くまで、主人公は、渾身の闘いで走り回っていった。その真相に近づけてみたところ、とんでもない結末に出会った。それが、想像も付かなかった、あるネット民の私欲にあった。え?そんな理由でデマをかけたのか?という衝撃な結末だった。
中国のデジタル社会ならではの怖さを知れた
急炎上と急人気は本当に一瞬の出来事で起こせることをよく分からせた映画だと思う。しかも生きている人しか通用することではなく、死んだ人間にも適用される。特に中国ではライブ配信が流行っているので、一般人でも流行りネタに夢中する現象になっている。本当に怖いデジタル社会になっているなあと感じた。
映画の原題には深い意味がある
本映画の日本語のタイトルは、『いいひと』になっている。その意味は、作品ストーリーの通り、いい人になると決めた主人公が、死んだ元顧客の無実を証明するぞ!という表向きの表現かと思う。
実際、中国語の原題は、『保你平安』だ。まず、「保你」は文字通りで、「君を守る」の意味が入っている。一方、「平安」という言葉は、主人公の名前「ピンアン」でもあり、「無事」の意味でもある。つまり、こういう解釈ができる ⇒「ピンアン」(主人公)が君の無事を守ってやる!ということだ。
更に、英語の原題は、”Post Truth”というのだ。これもシンプルな解釈で、「事実を投稿せよ」という作品の真意を表しているのだ。
個人的には、やはり中国語の原題が好きだ。
中国語のダジャレが多数あり、面白くてウケた
コメディなので、当然面白いセリフを多く使っている。また、もし中国語が分かる人ならば、人物たちの会話がきっと存分に楽しめると思う。
例えば、主人公のウェイ・ピンアンのファンクラブの名前は、ウェイ・ネンモウ(魏黏膜)になっている。これは、中国語の胃黏膜(いねんまく)とまったく同じ発音でとてもユーモアのネーミングじゃないか?!(笑)
あっちこっちにダジャレの中国語もあるので、ぜひ楽しんでみてください。
おわり
デジタル社会の中国の実情を忠実した映画で、笑い取りながら、人間の悲しみも入っている作品。何回も笑って、最後の感動もあった。こういう中国映画は日本でも上映できると良いよね。最後に、いいひとになるように僕もここで誓いたい。
作品情報
- 原題:保你平安 / Post Truth『いいひと』
- 公開年:2023年10月 ※日本未上映
- 監督:大鵬(ダー・ポン)
キャスト情報
- 魏平安(ウェイ・ピンアン):董成鹏(ダー・ポン)
- 魏如意:李雪琴
- 魏磨砺:王圣迪
- 冯总:马丽
- 韩露:宋茜