いっ君のつぶ夜記

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「原爆の父」オッペンハイマーの波乱の人生を描く、ノーラン監督の傑作に驚いた!

はじめ

ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。

原子弹之父、奥本海默。

中国ではこうやって「原爆の父」オッペンハイマーのことを呼ぶらしい。だけど、「原爆」という言葉は日本ではかなり重いワードだ。戦争の時代は過去のことだけど、今を生きる僕たちにしかできないことを問い続けたいと思う。

今回の記事では、天才クリストファー・ノーラン監督が「オッペンハイマー」の半生を描いた映画について感想を語ってみる。

ストーリー

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第二次世界大戦下、アメリカで極秘裏に進められた「マンハッタン計画」。
その中心人物であるJ・ロバート・オッペンハイマーは、優秀な科学者たちを率いて世界初の原子爆弾開発を成功させる。しかし、原爆の実戦使用による惨状を知った彼は、深い苦悩に苛まれることになる。戦後、冷戦や赤狩りなど激動の時代の波に翻弄されながらも、彼の信念と葛藤が浮き彫りになる。
世界の運命を左右した男、オッペンハイマー。その栄光と没落を描く壮大なドラマ。

感想

広島と長崎に落とされた原爆を生み出したオッペンハイマーの波乱万丈な人生を描いた伝記映画『オッペンハイマー』。この作品は、第96回アカデミー賞で作品賞を含む7部門を受賞した注目作だ。観る前に、彼の人物像や時代背景、そして少しでも物理学について知っておいたほうが楽しめるかもしれない。

全体の内容は、ノーラン監督らしい時間と記憶を巧みに操る演出が光っていた。特に、カラー映像はオッペンハイマー視点、モノクロ映像はライバルのストローズ視点という形で描かれていて、時間軸を行き来しながら栄光と転落を描く映像体験が新鮮だった。普通の伝記映画とはひと味違う、特別な映画体験をさせてもらった気がする。

オッペンハイマーの「女好き」という一面も描かれつつ、天才科学者として量子学の研究に取り組む姿も印象的だった。特にハイライトは、原爆開発に全てを賭けた場面だ。未来を後悔するかもしれないと覚悟しながらも、超人的なリーダーシップで原爆という恐ろしい偉業を完成させていく姿が見どころだった。

しかし、ストローズにはめられて人生のどん底に落ちた後、悪事が明るみに出て、晩年に栄光の舞台へと再び立つことになる。このシーンでは思わず泣きそうになった。

原爆が戦争の道具として使われたのは、アメリカ政府や戦争時代の事情によるものだと思う。でも、全人類が許せる行為ではない。原爆は第二次世界大戦を終わらせる起爆剤だったかもしれないが、オッペンハイマー自身は「原爆の父」と呼ばれた後、余生を後悔の中で過ごした。水爆プロジェクトに反対したことも、その後の悲しい運命を決定づけた理由の一つだったのだろう。

この映画は原爆誕生の実話を元にした伝記映画だが、賛否両論があったのも確かだ。特に、広島や長崎の被害者や大惨事について、エンディングで少し映像として触れるだけでも良かったと思う。それがオッペンハイマー自身の悔いと「原爆の父」としての宿命を描き切る完結になったかもしれない。

少し変な感想になってしまったが、最後に、原爆の被害を受けた方々への祈りとお悔やみを申し上げる。

作品&キャスト情報

www.oppenheimermovie.jp

  • 原題:Oppenheimer(日本語タイトル『オッペンハイマー』)
  • 公開年:2023年8月
  • 内容時間:181分
  • 配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ
  • 興行収入:9億7千万ドル
  • 監督・脚本・制作:クリストファー・ノーラン
  • キャスト情報:
    J・ロバート・オッペンハイマー:キリアン・マーフィ
    ルイス・ストローズ:ロバート・ダウニー・ジュニア
    キティ・オッペンハイマー:エミリー・ブラント
    レズリー・グローヴス:マット・デイモン
    ジーン・タトロック:フローレンス・ピュー
    アーネスト・ローレンス:ジョシュ・ハートネット
    デヴィッド・L・ヒル:ラミ・マレック
    ニールス・ボーア:ケネス・ブラナー
    アルベルト・アインシュタイン:トム・コンティ
    ハリー・トルーマン:ゲイリー・オールドマン

参考記事

もしよければ、「ノーラン監督」について書いた記事もぜひチェックしてほしい。合わせて読んでくれたら、とても嬉しい!

itsu-entame.com

 

    

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