いっ君のつぶ夜記

映画好きの中華系男子|エンタメ界隈の業界人| 年間100本映画鑑賞チャレンジ中

ローラースケートで登場⁉ 教官・無陀野無人に心奪われた舞台『桃源暗鬼 -練馬編-』が想像を超えてスゴかった!

はじめ

ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。

日本人なら誰もが知っている桃太郎の物語。しかし、鬼退治が正史とされる一方で、別の世界ではどうだろう?マルチバースの一つでは、桃太郎の子孫と鬼の子孫が対立し、鬼を主人公に物語が展開しているのだ。今回は、漆原侑来先生の原作マンガ『桃源暗鬼』(とうげんあんき)を原作とした舞台版「-練馬編-」を観覧してきた。この記事では、その舞台についての感想を述べたいと思う。

もしよければ、「進撃の巨人 -The Musical-」の日本凱旋公演について書いた感想記事もぜひチェックしてほしい。合わせて読んでくれたら、とても嬉しい!

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ストーリー

突然の“桃太郎”の襲撃で自分が“鬼”だと知った一ノ瀬四季。

京都での戦いから数週間後、鬼機関見学のため東京を訪れた四季たちは、警官を名乗る神門と出会う。だが、神門の正体は桃太郎であり、互いに知らぬまま親睦を深めていく。一方、皇后崎迅は血蝕解放を使ったことで桃巌深夜に拉致され、四季たちは救出に向かうが、事件は深夜の策略で市民を巻き込む騒動に発展。桃太郎を追う四季の前に、犯人として疑念を抱く神門が立ちはだかる──東京・練馬で鬼と桃太郎が激突する!

感想

本作は、舞台「桃源暗鬼」の第2作目にあたる。前作を観ていない場合、事前に漫画や作品紹介で前編の背景を理解しておくのがオススメ。ただ、初見の観客への配慮として、舞台冒頭で前編のダイジェスト映像を投影してくれた。これのおかげで前提をしっかり補完しつつ、安心して続編を楽しむことができた。この点は、とても良い工夫だと感じた。

「桃源暗鬼」の世界では、鬼たちの体内に「血蝕解放*1」という特殊能力が宿っている。たとえば、主人公の一ノ瀬 四季(演:阿部顕嵐)は、血を使って銃を生成する能力を持つ。教官の無陀野 無人*2(演:立花裕大)は血液で傘を生み出し、血の雨を操るだけでなく、血で作られた兵士を召喚し、空から矢の雨を降らせることも可能だ。漫画では比較的表現が容易だが、舞台でどう表現されるのか気になっていた。しかし、舞台ではこれが見事に再現されていた!リアルな銃器の登場、黒子が兵士役として動く演技、そしてプロジェクションマッピングによる光の演出が組み合わさり、血蝕解放の迫力を存分に表現していた。想像以上のクオリティに驚き、舞台の世界にどっぷり引き込まれた。

個人的に最も印象的だったのは教官の無陀野無人。ローラースケートでのクールな登場、美しい立ち回り、そして常に冷静で頼れる存在感は圧倒的だった。能力も強力で、「こんな教官の下で学びたい!」と思ってしまったほどだ。厳しい性格で有名なので少し怖そうだが、それでも魅力的だった(笑)。

後半戦では、桃太郎と鬼たちの激闘が展開される。特に複数の戦闘シーンが同時進行する演出は、緊張感が途切れることなく、僕を含めた観客をハラハラさせ続けた。アクションが重複せず、常に新鮮な動きがあったため、最後まで飽きずに楽しめた。

ネタバレになるが、途中で演者たちが観客席の通路を出入りする演出もあった。近距離で演者たちのビジュアルや衣装を間近で観られるサプライズ演出で、これがまた楽しかった。特にお気に入りの無陀野教官がすぐ隣を通ったときは、良い香りがしてドキッとしてしまった。男性の僕でも、ちょっと嬉しかった(笑)。

普段あまり舞台を観る機会がないが、舞台「桃源暗鬼 -練馬編-」は本当に新鮮な体験をさせてくれた。2.5次元俳優たちの一貫した演技、完璧なセリフ回し、そして予想以上に見事な演出。2時間があっという間だった。この素晴らしい作品を作り上げた関係者の皆さんに感謝したい。また続編があればぜひ観に行きたいと思う。本当にありがとうございました!

作品&キャスト情報

www.stage-tougen-anki.com

  • 原作:漆原侑来『桃源暗鬼』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
  • 脚本:松崎史也
  • 脚本:畑 雅文
  • キャスト:

無陀野無人役:立花裕大

皇后崎 迅役:高橋怜也
矢颪 碇役:草地稜之
遊摺部従児役:廣野凌⼤
屏風ヶ浦帆稀役:宮河志帆
手術岾ロクロ役:灰塚宗史
漣 水鶏役:山﨑紫生

桃寺神門役:酒寄楓太
桃華月詠役:岸本勇太
桃角桜介役:相澤莉多
桃巌深夜役:武子直輝

淀川真澄役:佐藤永典
並木度 馨役:中村泰仁
花魁坂京夜役:田口 涼

 

  

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*1:読み:けっしょくかいほう

*2:読み:むだの ないと