はじめ
ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。
こういう中国語は小さい頃からはっきりと覚えていた。
人之初,性本善。
「人間は、生まれ始めの頃から、本性が善人である。」
悪人はいつ頃から生まれ変わったんだろう。そして善人と悪人の定義や区別ってそもそも誰が決めているのだろうか。善人目線で勝手に決めつけているように思えるが⋯
逆にいえば、悪人目線から見ると、善人のやったことが悪に見えるかもしれないね。
こういう発想をさせてくれたは、映画『十一人の賊軍』の鑑賞後だった。
ストーリー
新発田藩家老・溝口内匠は、戊辰戦争中に新政府軍と旧幕府軍の狭間で苦境に立たされる。
新政府軍の進撃を食い止めるため、溝口は死罪の罪人十一人に砦の護衛を命じる。彼らは「無罪放免」を条件に命懸けのミッションに挑む。
新発田藩、同盟軍、新政府軍の三者の思惑が交錯する中、罪人たちは己の誇りと愛する人を守るために戦う。
果たして彼らは未来を掴み取ることができるのか?十一人の賊軍の壮絶な戦いが今、始まる。
感想
とにかくグロい!(いい意味で)
戦争時代では、その戦争の残酷さを表す血が出るって当たり前だ。この映画ではリアルティを忠実にするように、指や首を切られるとか、血の噴出とか、グロい場面が多く終始緊張感が続いていた。ただ、いい意味で戦争はこんなに酷いものだと見せてくれたのは良かった。
アクションシーンが凄い
劇中で刀での戦いが多くて、鞘からキレイに刀を抜き出して敵に向かって振りまわる姿も格好良かった。一番印象的なのは、最後の鷲尾(仲野太賀)が溝口(阿部サダヲ)への怒りの戦闘だと思う。
十一人の賊軍の各々のキャラが見どころ
題名の通り、主役の十一人の賊軍は人数多くて、それぞれの人物の性格や衣装、本性など十人十色のように各々の違う一面や役割の描写はちょうど良かった。
主役に抜擢された仲野太賀の演技が良い
仲野太賀さんが演じたキャラクターはだいたい不真面目な柄が多いのだが、本作では珍しく使命感強い真っ当な性格の役柄で個人的には驚いた。武士としての彼も要注目だと思う。そしてあの象徴的な抜刀ポーズが本当に素敵!絶対何百回も練習しただろうと分かる。今後も仲野太賀さんのほか作品にも注目したくなる。
白石和彌監督作品の安心感
数多くの監督賞を受賞した映画『孤狼の血』の監督さん。以前は、白石監督が企画プロデュースした映画『渇水』(2023年公開)を観たことがある。人間性の描写が特に得意で印象深い作品を多く創り出した。その名手腕で今作のような時代劇にも適任すると納得した。
おわり
なぜ十一人の賊軍なのか、エンディングで判明できるので、伏線回収まで我慢必要だ。
それと、日本独特な武士語(昔の日本語)や新潟方言に慣れなくて、最初から最後までほとんどの台詞が聞き取れなく、正直に充分にこの映画が楽しめなかった。今後、サブスク配信が決まったら、日本語字幕を選択してもう一度見直したい。
作品情報
- 原題:十一人の賊軍(🇺🇸 11 REBELS 🇨🇳 十一人的贼军)
- 公開年:2024年
- 監督:白石和彌
- 原案:笠原和夫
- 脚本:池上純哉
キャスト情報
- 政(まさ)役:山田孝之
- 鷲尾兵士郎(わしお へいしろう)役:仲野太賀
- 赤丹(あかたん)役:尾上右近
- なつ役:鞘師里保
- ノロ役:佐久本宝
- 引導(いんどう)役:千原せいじ
- おろしや役:岡山天音
- 三途(さんず)役:松浦祐也
- 二枚目(にまいめ)役:一ノ瀬颯
- 辻斬(つじぎり)役:小柳亮太
- 爺っつぁん(じっつぁん)役:本山力
- 入江数馬(いりえ かずま)役:野村周平
- 荒井万之助役:田中俊介
- 小暮総七役:松尾諭
- 溝口内匠(みぞぐち たくみ)役:阿部サダヲ