いっ君のつぶ夜記

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人間の本心と表を深く考えさせられた良作!映画『本心』の感想レビュー

はじめ

ニーハオ!中華系男子の いっ君 です。

日久见人心

 こういう中国語のことわざがある。「日が経つと、その人の本心が見える。」

 僕が思うには、最初から自分の本心を隠したがっているのは人間の習性かもしれない。では近くにずっと居る家族や親友、恋人に対しては気軽に本心を語れるだろうか。なかなか言えないこともあるかと僕も思う。

 今回の記事では、僕が大好きな個性派俳優・池松壮亮さん主演の映画『本心』の感想レビューを書いてみた。あえてネタバレしないので最後までお付き合い頂けると幸いだ。

ストーリー

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 工場で働く石川朔也は、母・秋子からの「大切な話」を聞くため帰宅を急ぐが、豪雨で川に飛び込んで昏睡状態に陥る。

 1年後に目覚めた彼は、母が“自由死”を選び他界したことを知る。工場はロボット化で閉鎖され、朔也は「リアル・アバター」の仕事に就く。

 仮想空間で人間を作る技術「VF」を知り、母の本心を知るために開発者に依頼。母の親友・三好と避難所生活を送る中、母のVFも交えて共に暮らすことになるが……。

感想

登場人物みんなの本心へ迫る

 映画は終始、人間の本心、いわゆる本音や本当の思いへの追求について語っていた。

 主軸は、突然自由死を望んだ母親の本心を知りたい主人公が、バーチャル母との会話や付き合いで本当の母の本心までたどり着いたお話。並行に複数の副軸ストーリーもある。親友の本心とか、同居人の本心とか、仮想人間の本心とか、登場人物たちの本心考察という目線では映画を存分に楽しむことができた。

メタバースの世界で人間がこんなに変わるのか?

 映画では、自分自身の分身としてヴァーチャル人間を雇って、自分の代わりにいろんなところまで行ってもらったり、いろんなことをやってもらったり、ずいぶん楽な世界になったなと感じた。しかしその反面、人間の醜い面も現れたり、犯罪まで発展させられてちょっと恐ろしいと怖かった。技術が進化した反面、どうしてもそのような人間の変な欲望があるよね。

自由死の選択はダメなのか?

 政府が新しく考案した税優遇制度「自由死」。これもし現実世界でも実現されたら、僕も擁護するかもしれない。楽なうちに逝ってもらったほうが、現生に残された人にとっても良いのではないかと思う。本人も辛いはずだ。もちろん、家族に理解してもらう前提で本人がそのように選択したら許してあげるしかないと思う。

池松壮亮の個性的な演技が魅力的!

 今回の作品も結構演技難しい人物かと思うが、池松さんの演技は更に進化して、変わった主人公を見事に演じてくれた印象。

 特に素直の性格や振る舞い、時代に置いて行かれた落ち着きの無い感情や、母への執念…現実でも居そうなキャラクターが、焦点をあてられてとても光っているように見えた。

脇役の人々も要注目!

 本作品では、実は、主人公級の俳優たちも出ている。妻夫木聡さん、綾野剛さん等々
台詞や登場シーンが少ない割には、しっかりと主人公を引き立てる存在になっている。特にクレジットには、窪田正孝さんの名前も書かれたが、どこのシーンにも居ない気がするが、意外のキャラクターとして登場した。ぜひこちらも注目してほしい。

おわり

 久々にヒューマンストーリーの作品を観てきた。ミステリー要素もあるが、感動シーンが多くなかなかの良作だと思う。

 親密な人の本心を知れる機会が増えたら、僕もヴァーチャルの人間を作りたいと思った。とにかく技術がさらに進化した未来を期待したい。

作品情報

  • 原題:本心
  • 公開年:2024年11月
  • 監督:石井裕也
  • 原作:平野啓一郎
  • 脚本:石井裕也
  • 配給会社:ハピネットファントム・スタジオ
  • 興行収入:1.1億予想

happinet-phantom.com

キャスト情報

  • 石川朔也:池松壮亮
  • 三好彩花:三吉彩花
  • 岸谷:水上恒司
  • イフィー:仲野太賀
  • 若松:田中泯
  • 中尾:綾野剛
  • 野崎将人:妻夫木聡
  • 石川秋子:田中裕子
  • AI(声):窪田正孝

 

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